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カテゴリ: 雑記帳

アフィリブログだったら「DL同人作家が半年間パトロンサイトを運営してわかったこと」みたいなタイトルを付けるのでしょうか? ネットはタイトルが10割。

というわけで、私も昨年末あたりからいわゆる作家支援サイトをやっているのですが。
最初はEntyとFantiaの2カ所でやってみて、Entyのほうがまったく反応がなかったので、Fantiaひとつに絞ったという成り行きです。

ちなみにEntyはその後いくつか問題があったようで、いまは多くの作家さんがFantiaへと移行した状況のようなのですが。といいつつ、私はあまり世の流れを把握していませんので、詳しくは知りません。

パトロン型サイトのシステム

基本的には月額会員を募集するというシステムですね。もともとは海外のPatreonというサイトから始まりました。払う金額によって受けられるリターンがよくなっていくという方法で、運営されている作家さんが多いです。

始めたばかりの頃、とある海外の方にアドバイスをいただいたのですが。
たとえばですが、このような約束をします。

・1週間に1枚モノクロのイラストをアップします。
・1ヶ月に1枚カラーのイラストをアップします。
・支援金額が一定以上になったらカラーのマンガをアップします。

そして支援者は金額によって受けられるサービスが違います。

・Cプラン モノクロのイラストを閲覧できます。
・Bプラン カラーのイラストやマンガを閲覧できます。
・Aプラン リクエストが出来ます。

約束を守って更新を続けていくことがポイント。
また、Aプランは高額にして人数を限定するといいみたいです。この場合、たぶんBプランを選ぶ人が多くなるのではないでしょうか?

でも大変そうですね。これをメインにして稼ごうという作家さんにとってはいいのかもしれませんが、マンガや同人CG集の制作をメインにしている作家さんの場合、これに作業時間を費やすと苦しいことになってしまいそうです。

さて、どうしましょう?

プロジェクトへの支援として使う

同人ゲームなど、長期の制作期間が必要なプロジェクトへの支援の場として、使うというパターンもあるようです。よほどの大手サークルでないとなかなか支援は集まりそうにないのですが。
しかし提供するコンテンツは、

・進行中の作品のメイキング
・旧作の配信

など、とくに新作を支援サイト用に制作するわけではないので、負担は少なくて済みます。
私はとりあえずこれを続けてきたのでした。

投げ銭的な使い方はどうだろう

しかし少額とはいえ、毎月お金をいただくだけのものを提供できているのかとなると、これはなかなか判断が難しいところがあります。

最終的には完成作をお届けすることで支援にはお応えできるはずですが。しかしそれだけなら、わざわざ支援などせずに、完成した作品をDL販売サイトなどで購入すればいいわけですよね。
何か支援するメリットはあるのでしょうか?

というわけで、考えてみたのですが。
昔からよく「webで投げ銭のようなことは出来ないか?」みたいなことはいわれてきました。もしかしたらそんな感じでもいいのではないだろうか、と。

多くの作家さんがpixivやtwitter、あるいは個人サイトなどで無料作品を公開しています。それが気に入って、もし懐に余裕があったら、作家支援サイトのような場所で1ヶ月分とか有料プランに加入する。

もちろん何かしらのリターンはあったほうがいいのですが。それはたとえば「次の作品に協力者として名前がクレジットされる」などでもよさそうな気がしています。

というようなことを考えているのでした。

「千と千尋の神隠し」を見ました。

作業しているPCの脇に液晶テレビを置いて、もうずっと録画した番組を流しっぱなしにしてたりはするんですが。しかし画面を見ないで音だけ聞いてる状態なので、映画とかアニメはちっとも内容がわかりません。HDDレコーダーに見てない映画やアニメがどんどん溜まっていくばかり。

しかしそれではもったいないですし。というわけで寝酒のついでに少しずつ見ていくことにしましょう。といっても一気に全部見ることはできないので。毎日30分から1時間分くらいずつ。

「千と千尋の神隠し」(2001年)

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DVD | ブルーレイディスク

見るのは2度目になります。世評も高いし、私もやはり傑作だと思うのですが。
美しいビジュアル。奇妙で魅力的なキャラクター。懐かしくも妖しい舞台。画面の隅っこのほうで蠢く珍妙な生物を見ても楽しいし、幻想的な風景に記憶の思わぬ片隅を掘り起こされたりもします。
映像の魅力に満ち満ちた作品だと思ってます。

とはいえ個人的には、物語がわかりにくいところがあるのではないかと思えてしまったりもするのですが。
アニメのことなら大変詳しいWikipediaさんなどでストーリーを確認してみると……。やはり何カ所か見落としていた部分もあるようでした。

・中盤から後半にかけて、カオナシのエピソードと、ハクが傷ついて戻ってくる場面が平行しているので、事実関係を見落としやすい。
・湯婆婆と同じ姿をした姉、銭婆というキャラクターが把握しにくい。

この作品のプロットについて検索してみると、やはりこの中盤の事実関係について把握しにくい点は指摘されているようです。
それを踏まえた上で次に解釈を考えていくと。これもやはり難しい点があるのではないかと思うのですが。

・物語の序盤と終盤で千とハクとのエピソードが扱われる。なので構造的に見てこれが最重要のエピソード。千がこの異世界にやってきた理由もここにあるはず。そしてハクの正体。となるとメインテーマは環境破壊の問題となりそうですが。
・しかしその一方。腐り神、カオナシ、坊といった、異形のキャラクターたちのエピソードが作品の中で重要な位置を占める。
・腐り神もおそらく環境破壊の暗喩。
・カオナシと坊は労働の忌避や社会からの疎外を思わせるところがある。「働く」というキーワードが重要な意味を持つような描かれ方をしている。
・湯屋と湯婆婆は何だろう? 八百万の神々のための湯屋という設定になっていますが。いわゆる特殊浴場ではないかとの指摘もあります。これも「働く」というテーマです。それからお金と欲望。

というわけで解釈の難しい作品だと思うのですが、さて、ご覧になった方はどう思われたでしょうか?
私は「この作品の解釈はわかりません」と白状しておきます。しかしそれは駄作、失敗作を意味するわけではないはず。

すっきりとわかりやすい物語というのはおそらく、起承転結がはっきりとしていて、いくつかの「伏線→回収」というサイクルが整然と絡み合い、クライマックスですべてが結合して全体的なテーマへと導くような構造を持っていると考えるのですが。
とはいえ、そういう完成したプロットの作品を大量に見続けていると、はたしてそれだけが物語の魅力というものなのだろうかという疑問もまた、発生してきたりもするのです。

迷路のような構造。夢の奇妙な整合性。不可解な暗示。全体よりも部分、断片。ストーリーよりも映像、セリフ。
それらが何か個人の深いところへ届くので、忘れがたい作品となっているのかもしれません。

個人的にはカオナシと坊のエピソードが苦々しくも押し迫ってきます。そして他の宮崎駿作品と同様に、少女によって救済されるという段取りになります。これもまた、ナウシカと王蟲との邂逅以降何度も見せられてきた変奏のひとつのようです。

この作品の主人公の千(千尋)はあまりぱっとしない少女として登場しますが、作品の中で能力を育み、神聖な少女のヒーリングパワーを発揮するようになるのでした。
作品の核心はやはりここにあるのではないでしょうか?

本当のテーマというのは、物語の本筋からはあえて隠すのかもしれませんね。あるいは環境問題などの退屈で世間体のいいテーマで偽装して、わかる人にはわかるように裏テーマを潜ませるとか。

多様な表情を持つ作品は、見る者によって様々な姿に見えます。私にはこの怪物と少女の構図がとても印象深く映りました。いや、私はロリ●ンではないんですが……。

さて、では皆様はどうだったでしょう?

千と千尋の神隠し
千と千尋の神隠し


千と千尋の神隠し (ブルーレイディスク)
千と千尋の神隠し (ブルーレイディスク)


というかブルーレイのパッケージが典型的な怪物と少女の構図になってますね。フランケンシュタインの怪物から続くテーマ。

サークル宛に受付案内のメールが来ていました。
私は知らなかったのですが、この話はしばらく前から進行していて、ついに実装となったようです。

2016-07-06のまとめ記事です。

DMMさん、違法アップロード対策「ソーシャルDRM」を企画予定?DL販売作品に購入者の個人データを埋め込むことで無断転載を抑止できるか - Togetterまとめ
https://togetter.com/li/996681

※※※※※


ソーシャルDRMというのは電子透かしのようないい方もされていて、画像などの作品ファイルに購入者の情報が埋め込まれるという仕組みです。

つまり、悪意あるユーザーによってどこかにアップロードされたとしても、誰が流したのか突き止めることが可能になります。なので、違法アップロードを抑止する効果が高いのではないかといわれています。

私の旧作単行本も配信していただいているマンガ図書館Z様では、作品のPDF販売に電子透かしの技術を採用しています。

もっとも、すでに大量の違法コピーが出回っている作品については、後手に回ってしまっていますし。また、紙の印刷物から直接スキャンされてしまっては防ぎようがありませんが。
とはいえ、将来に向けて有望な仕組みではないかと個人的には思ってます。

※※※※※


私のサークルのDL同人誌でも、発売時にプロテクト(DRM)をかけた作品もありましたが。早い・遅いの問題だけで、やはり何者かによって解除されてしまいました。発売開始からしばらくの間は、違法コピー抑止の効果はあったと思いますけど。

ただしプロテクト(DRM)には、たとえば配信サイトが潰れてしまった場合は、作品が閲覧できなくなるのではないかとの恐れもあります。現状ではそのようなケースは、ほぼ同業他社が引き継いでくれていたりするようですが。

また、たとえば私も何作か購入したことのある有料動画などの場合ですが。長期間放置していた作品をひさしぶりに閲覧しようとしたとき、改めてIDとPASSWORDを要求することがあります。
このときネットにつながっていないと再生できませんので。
という不便さもありますね。

というわけで、ソーシャルDRMにはそのような煩わしさがないので、これが普及してくれたほうがよさそうな気もしていたりするのでありました。

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といいつつ。これはやはり営業面でのご事情もあるのだと思われますが、今回のDMMさんによるソーシャルDRMのサービスを受けるには、専売作品である必要があるようです。

専売は悩むな……。
売り上げの問題だけでなく、たとえばここのメインブログはDLsite.comさん提供のものですし。

多数の企業が参入していたDL同人販売サイトも淘汰が進み、高度なサービスでサークルの確保を競うようになりました。

・翻訳サービス
・違法コピー・海賊版サイトの通報(削除要求代行)
・そして今回のソーシャルDRMの装備

でもまあともかく。
売れ筋ど真ん中のメジャーサークルでない場合は、「自分の作品が売れるサイトがいいサイト」ではないかと思ったりもするのでありました。

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